PREP法とは?面接を受ける薬剤師が知っておくべき話し方と回答例

皆さんは面接の時に自分と思っていること、アピールしたいことを伝えることが得意でしょうか?

私は話をまとめることがあんまり得意じゃないのよね
普段の投薬は大丈夫だけど、どうしても面接とか緊張する場面が苦手という薬剤師は多いと思います。
しかし転職の面接は限られた時間で自分の思い、考えをどう伝えるかが重要であることも事実です。

けどどうすればいいの?
そんなときに役立つのがPREP法(プレップ法)です。
このPREP法を使えば誰でも論理的で分かりやすい面接回答ができるようになります。
この記事では、転職時の面接で実際にPREP法を用いて全ての会社から内定を獲得した筆者が、面接時のPREP法の使い方、20~30代の薬剤師の面接での回答例を丁寧に説明します。
この記事を読むことで、今まで苦手だった面接時の質問への回答の方法がわかり、内定が出やすくなるでしょう。
面接の質問をうまくまとめて答えることが苦手な方や、面接官の評価を上げてより良い条件で転職したい薬剤師の方は最後までお読み下さい。
PREP法とは
PREP法とは、話す内容を「Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(結論)」 の順番で文章を組み立てる方法のことです。

それぞれのポイントを見ていきましょう。
- Point(結論)
結論ファーストで自分が一番伝えたい要点を述べます。
聞き手は結論がわかっているため、話の方向性がつかみやすいです。 - Reason(理由)
その結論に至った理由を端的かつ明確に伝えます。 - Example(具体例)
自身の経験や実績に基づいて事実ベースで具体例をあげ、結論や理由を裏付けます。 - Point(結論)
最後は結論で内容をまとめます。
伝えたいポイントを繰り返すことで記憶に残りやすく、結論、理由としっかり結び付きます。

流れはわかったけど、まだいまいち分からないわ
では簡単な例を上げてみます。
Point
私はミグシスの錠剤が少し苦手です。
Reason
なぜならPTPシートの裏面の紙の部分が剥がれやすく、ピッキング時にハサミを使わないといけないからです。
Example
実際にピッキングしていると、手でミシン目から切り離そうとすると後ろのラミネートされている紙の部分が広範囲に剥がれてしまったことがあります。ミグシス自体が分2の薬であるのでミシン目で切り離すことが多く、せっかくミシン目があるのにハサミを使っています。
Point
だからミグシスが私は少し苦手なのです。
日常の内容をPREP法に落とし込んでみました。
このように、PREP法は就活や転職時の面接はもちろん、日常の会話や投薬時、プレゼンテーション、資料の構成など様々な場面で使えます。

けど、面接の質問に答える時に普通に答えるのPREP法を使うのとなにが違うの?
では面接時にPREP法を使用するメリットについて解説していきます。
面接時にPREP法を使うのメリット
転職の面接では「自分の考えをどうやってうまく伝えるか」が重要になります。
この場面においてPREP法は主に5つのメリットがあります。
結論が先に伝わるからわかりやすく記憶に残りやすい
面接官は限られた時間で多くの応募者と面接をします。
そのため、最初に「私は〇〇だから御社を志望しました」などと結論を述べることで、相手に話の方向性をすぐ理解してもらえるのが大きなメリットです。
また、PREP法は最初に結論を述べ最後にもう一度結論を繰り返すので、伝えたい結論が面接官の記憶に残りやすくなります。
理由と具体例があるので説得力が増す
面接では「やる気は誰にも負けません」「コミュニケーションが得意です」といった抽象的な回答だけでは評価されにくいです。
PREP法なら、結論の後に「なぜ得意なのか」という理由を明示し、さらに「実際の経験やエピソード」を添えることで説得力が高まります。
面接官は誰でも言える抽象的な内容ではなく、今までの行動に積み重ねられた言葉、背景から出る重みのある考えを知りたいのです。
PREP法を使うことで話が整理されるため、緊張しても詰まらず話しやすい
初めての転職面接では、緊張で頭が真っ白になることも珍しくありません。

私も面接で緊張して頭が真っ白になることがあるのよね
そんな時にPREP法の「結論→理由→具体例→結論」という型を思い出せば、話の道筋が自動的に整理されるので安心です。
「今は結論を話しているから、次は理由を伝えればいい」と段階的に考えられるため、焦って余計なことを話したり、途中で言葉に詰まるリスクを減らせます。
PREP法の型に当てはめるだけで落ち着いて受け答えできるのは大きなメリットです。
面接官に評価されやすい
薬剤師の仕事は調剤や服薬指導、他業種とのコミュニケーションなど論理的に、かつわかりやすく説明する力が求められます。
PREP法は論理的に話すための方法のため、面接の受け答えが自然と論理的になります。
面接官はコミュニケーションにおいて必要なスキルを持っている人だと判断しやすくなり、結果として高評価をもらえる可能性が高くなります。
他の応募者と差別化できる
面接でありがちなのは、面接官の求めていない抽象的で長い話をしてしまうことです。
特に薬剤師は真面目な方が多く、つい細かい説明をしすぎてしまう傾向があります。
そこでPREP法を使えば、短くても筋道の通った回答ができ、他の応募者との差別化につながります。
ビジネススキルとして企業ではPREP法を知っている方は多いですが、薬剤師ではPREP法を学ぶ機会は多くありません。
面接は相対評価の側面も大きいため、差別化して好条件を勝ち取りましょう。

採用業務を行っているほとんどの面接官の方はPREP法を知っているでしょう。あなたがPREP法で話していることに気づく面接官も多いと思います。薬剤師でビジネススキルを知っている人は少ないため、話し方自体がアピールポイントにもなります。

PREP法のメリットもわかったけど、実際に面接の場面での使い方が想像できない
そうですよね。
では実際に面接の3つ質問でPREP法活用の例をあげてみます。
PREP法の薬剤師の転職面接での活用例
転職時の面接でも定番の質問である「志望動機」「転職理由」「自己PR」について、20代後半で病院からドラッグストアに転職希望の方で活用例をあげてみます。
PREP法を用いた志望動機の具体例
Point
私は、これまで培った病院薬剤師としての知識と経験を活かし、病院より地域の方に身近なドラッグストアの薬局で健康サポートを行いたいと考えております。そのため地域の立地の多い御社のドラッグストアを志望いたしました。
Reason
私がドラッグストアの併設薬局を志望している理由は、もっと気軽に健康相談できる場所で、予防から日常のセルフメディケーションまで支援したいと考えたからです。特に御社のドラッグストアは地域立地が多く、地域住民の方と日常的に関わることができることも魅力に感じております。
Example
病院勤務時代には、高血圧や糖尿病の患者様に服薬指導を行う中で「普段の生活習慣も見直したい」という声をよくいただきました。
しかし病院では入院中の薬の使い方や副作用説明が中心で、一人一人の生活習慣改善まで深く、長くサポートする機会はなかなか得られませんでした。その経験から、地域の患者様に日常生活の中で何度もご来店来局いただき、患者様に寄り添えるドラッグストア薬剤師として働きたいと強く思うようになりました。
Point
以上の経験から、地域の方々に最も身近な医療の入口であり、日常的に立ち寄る場所である御社のドラッグストアで、病院で培った専門知識を活かしながら、幅広い健康サポートに取り組んでいきたいと考え志望しております。
PREP法を用いた転職理由の具体例
Point
私はこれまでの病院勤務で得た経験を踏まえ、もっと一人一人の患者様に向き合い健康を長期間にわたりサポートしたいと考え、転職を決意しました。また、将来の働き方に不安を覚えたことも一因です。
Reason(理由)
病院では専門的な薬物療法に携わることができましたが、どうしても入院患者様中心の支援に限られ、地域の方との接点や生活習慣のサポートに関わる機会はほとんどありませんでした。
Example(具体例)
実際に糖尿病患者様へ指導を行った際も、退院後の生活や生活環境の相談まで対応できず、「もっと日常に近い部分で支えられたら」と感じることが多くありました。
ここまでA1cが高い状態で初めて受診するのではなく、日常的に立ち寄るドラッグストアで受診勧奨してくれれば、もっと良好な状態を保てたかもしれないと思い悔しく感じました。
また、夜勤など変則的な勤務が続く中で、より長期的にキャリアを築ける環境を考えるようになったこともあります。
Point(再結論)
この経験から、病院で培った知識を活かしつつ、より生活に密着した形で患者様を支えられるよう職場で働きたいと転職を決意しました。
PREP法を用いた自己PRの具体例
Point
私の強みは、専門的な知識をわかりやすく噛み砕き、相手に合わせて伝える力です。
Reason
病院勤務では入院患者様やご家族に対して服薬指導を行う機会が多くありました。
患者様の年齢や理解度、生活背景によって伝え方を変えなければ本当に納得して服薬していただくことは難しいと学び、より専門的な用語を避けてシンプルにわかりやすく説明するように常に心がけたからです。
Example
例えば抗がん剤治療を受けている患者様に副作用対策を説明した際には、難しい医学用語を避け、指導箋やイラストを取り入れ視覚的に理解しやすい工夫をしました。
その結果、不安が和らぎ「これなら頑張れそうです」と言っていただけました。
こうした経験から、ただ知識を伝えるのではなく、相手の立場に合わせてわかりやすく工夫することの大切さを実感しました。
また、病棟ミーティングの現場でも「説明が分かりやすい」と医師や看護師から評価をいただくことがあり、専門職同士の連携でも自分の説明力を活かせる手応えを感じました。
Point
このように、専門知識をわかりやすく伝える力には自信があります。
ドラッグストアでは、病院以上に幅広い年齢層・生活背景を持つ地域住民の方と接する機会があります。これまで培った「相手に合わせて情報を工夫し届ける力」を活かし、患者様が気軽に相談でき、安心して生活できる環境づくりに貢献していきたいと考えております。
例を挙げてみました。少しだけイメージがついたと思います。

これらはあくまで例です。皆様には一人一人強みがあると思うので、ぜひその強みをPREP法に落とし込んでいてください。何より重要なのは自分自身を見つめ直して情報を整理することです。

わかってきた気はするけど、なんか自分で作るとうまくいかないかもしれないし
ではPREP法で失敗しやすいパターンを説明します。
このパターンを避ければうまく作れるでしょう。
PREP法を転職時の面接で使った時のよくある失敗パターン
話したいことの結論が曖昧
PREP法は「結論ファースト」でこそ説得力の高さなどの効果を発揮します。しかし、その結論が曖昧では、理由や具体例をどんなに工夫しても説得力が出ません。
薬剤師の転職面接では、まず 「何を言いたいのか」の結論をはっきり言い切ることを意識しましょう。
理由が抽象的でぼんやりしている
面接で「なぜそう考えるのか」を説明するときに、「もっと成長したい」「幅広く経験したい」「地域に貢献したい」といった無難なフレーズを選んでしまいがちです。
あなたがその思考に至った原因を面接官は知りたいため、「なぜそう考えるのか」を明確にしましょう。
エピソードの内容が一般的で薄くなっている
例えば「患者様にわかりやすいと言われた」というエピソードは薬剤師なら誰でもあると思います。
このような一般的な内容を面接官は聞きたいわけではないのです。
面接官が知りたいのは今のあなたの考えに至った背景にあるエピソードであり、あなた固有の悩んで葛藤して考え抜いた、場面の浮かぶエピソードです。
話がまとまっておらず、一貫性がない
PREP法は話の構成が重要です。
PREP法を使っているつもりでも「結論」「理由」「具体例」「まとめ」がそれぞれ別方向を向いてしまうと、話全体が散らかり説得力がありません。
伝えたいことが複数にわたる場合に話に一貫性がなくなりやすくなります。
言いたいことは1つに絞り、欲張らないことが大事です。
まとめ:PREP法を上手に用いて転職面接を成功させよう
転職時の面接で自分の強みや入社への意気込みをしっかり伝えるには、PREP法を活用した論理的な話し方が非常に効果的です。
初めはPREP法の順番の話し方を意識することは難しいかもしれませんが、PREP法は練習すれば誰でも身につけられます。
そして本番の面接に備えて、模擬面接で回答を何度も口に出して練習しましょう。
転職エージェントのサービスを利用すれば、PREP法を意識した話し方でフィードバックをもらえる模擬面接を受けることもできます。
プロのアドバイスを受けながらブラッシュアップすれば、自信を持って本番に臨めるでしょう。
模擬面接や回答添削をしてもらえる転職エージェントはこちらをご覧ください。

PREP法を用い論理的な伝え方を身につければ、面接官にもあなたの魅力が十分に伝わり良い結果が得られるでしょう。
あなたの努力が素晴らしい成果につながりますよう願っています。
ここまで読んでくださった読者の方々ありがとうございます。
リンク先には公式サイトを掲載しておりますので、ご利用の際には使用いただけますと幸いです。
今後も皆様の役に立てるような情報を発信していきたいと思いますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。