【20代~30代前半の薬剤師必見】 薬剤師が読むべきお金の本3選(初級編)

薬剤師として働く20代~30代前半の皆さんは、日々の業務に追われる中で「お金」について深く学ぶ機会が少ないかもしれません。

日々の業務に追われているし、薬の勉強をしないとわからないことばっかだし
薬剤師として薬の勉強は必要不可欠です。
一方で、将来の安定や自己実現のためには、若いうちからお金の知識を身につけてお くことが重要です。
特に、早い段階で金融の基礎を学べば、その後の資産形成で複利の恩恵を最大限に享受できます。
近年、平均寿命が伸びている中で、公的年金だけでは老後の資金が不足するとの試算が公表されるなど、自分自身で資産形成をする必要があります。
医療専門職である薬剤師も例外ではなく、経済的な安定は心の余裕にもつながるため、早めに金融リテラシーを高めておいて損はありません。

けど、どうやって勉強すればいいの?薬学部ではほとんど学ばなかったけど
そうですよね。薬学部など専門教育課程では、お金や経済について体系的に学ぶ機会はほとんどないため、社会人になってから改めて自力で学ばなければなりません。
そこで本記事では、薬剤師でもありファイナンシャルプランナーでもある私が、これからお金の勉強を始めたい薬剤師に向けて、初心者に最適なおすすめの書籍を3冊紹介します。
それぞれ、古今の知恵から最新の制度まで幅広くカバーし、基礎から学べる内容です。
忙しい毎日の 中でも読みやすく、かつ実践に役立つ本ばかりなので、ぜひ参考にしていただければと思います。
結論ですが、初めてお金の勉強をするためにオススメの本は
⭐️『漫画バビロンの大富豪の教え』
古代の物語からお金の本質を学ぶ世界的名著
⭐️『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』
資産運用の基本をQ&A形式で平易 に解説した日本のベストセラー
⭐️『今さら聞けないお金の超基本』
・貯める・増やすなどお金のすべてを網羅した教科書的な一冊
です。
ではそれぞれ見ていきましょう
⭐️『漫画バビロンの大富豪の教え』ジョージ・S・クレイソン・著
どんな本?
まず最初に紹介するのは、1926年にアメリカで出版された古典的名著『バビロンの大富豪の教え(The Richest Man In Babylon)』を翻訳、脚本、漫画家したものです。
『漫画バビロンの大富豪の教え』は古代 バビロニアを舞台に、お金と幸せを生み出す知恵を物語形式で伝えています。

マンガでお金のことが学べるの?
はい、学べます。
マンガだけではなく、文でその意味の解説もしっかりされており、何度も読み返すことでより深く感じられる一冊です。漫画で気楽に読み返すことができるのもメリットですね。
初めに出版されてから約1世紀が経過し社会や経済の状況 は大きく変わりましたが、繁栄と富と幸福の原則といった本質的な教えは時代を超えて不変で、現代の日本 においても学ぶ価値がある本質的で普遍的な内容です。
例えば、著書の中でお金に愛される条件として
『黄金に愛される七つの道具』という教えがあります。
1、収入の十分の一を貯金せよ
2、欲望に優先順位をつけよ
3、貯えた金に働かせよ
4、危険や天敵から金を堅守せよ
5、より良きところに住め
6、今日から未来の生活に備えよ
7、自分こそを最大の資本にせよ
『漫画バビロンの大富豪の教え』より引用
日々新しく魅力的な商品が出る現代日本において、欲望に優先順位をつけたり、節約により収入の十分の一を貯金することなどは、今なお変わらない重要なことです。
著者は?
著者はジョージ・S・クレイソン氏であり、彼は1874年生まれで、ネブラスカ大学卒業後にクレイソン・マップ・カンパニーを設立し実業家として活躍した人物です。
薬剤師が読むべき理由

けど、昔のアメリカの著書を現代の日本の若い薬剤師が読んだ方がいいの?
この本を薬剤師が読んだ方がいい理由は主に2つあります。
1、本書で説かれる貯蓄や投資の原則が今日の日本の経済環境にも合致する普遍性を持っているから
超低金利時代が長く続いた日本では、銀行に預けているだけではお金は増えません。
収入の一部を計画的に貯め、それを資産運用に回すという習慣は、薬剤師のように安定収入があるが大幅な昇給は望めない職業にとって、将来の経済的自由を築く柱となります。
一方で、この本には「非現実的な利益を出そうとしたり、謀略家の甘い誘惑の言葉に乗ったりすることは金を減らすことになる」と教えがあります。
薬剤師は堅実な収入があるだけに、知人から甘い投資話を紹介されたり、薬局でうまい話を持ちかける営業電話に遭遇する場面もあるかもしれません。
しかし、この本は、自分がよく理解しない案件に安易に手を出さず、確かな知識に基づいて判断することの大切さを説明してくれています。
2、忙しい医療現場で働く薬剤師でも実践しやすいシンプルで明快な指針が得られる
若手の薬剤師の多くはお金に対する知識を多くは持っていないことが多いです。
この本は専門的な金融知識がなくても理解できる平易さでまとめられており、日々の業務で疲れたあとでもマンガを読む感覚で読めます。
残業続きで忙しい月でも実践しやすく、お金に対する前向きなマインドセットが身につくでしょう。
初めてお金の 勉強をする薬剤師にとって、堅苦しい理論書よりもまずこのマンガから入ることで、楽しみながらモチベーションを高められます。
『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』 山崎元・大橋弘祐・著
どんな本?
二冊目に紹介するのは、日本でお金の本で国民的ベストセラーとである『難しいことはわかりませんが、 お金の増やし方を教えてください!』です。
タイトル通り「難しいことはわからないけれどお金を増やしたい」という超初心者の疑問に答える形で書かれた一冊です。

けど、そうやって実は難しい内容が書かれている本があったり、内容が薄い本もあるけど大丈夫かしら
この本は本書は金融のプロである経済評論家の山崎元氏と、素人代表である大橋弘祐氏との対話形式で書かれていて、本当に初心者が考えることを言語化していったわかりやすくありながら、着実に知識を増やせる一冊です。

シリーズ60万部売れているのは、初心者が疑問に思うことを丁寧に一つずつ解決してくれいているからだと思います。対話式の本でちょっとしたユーモアがあるのも飽きさせず時間を忘れて読んでしまう本です。
給料が上がらないのに物価は上昇し、銀行預金ではお金は増えないそんな現代の若者が抱く切実な悩みからスタートし、具体的にどうすれ ばいいのか?という問いに対して極めて実践的な解決策を提示してくれます。

なんか今の日本の状況の若者の悩みを解決してくれそうな本ね
この本の特徴は、その具体的かつシンプルなアドバイスです。
例えば山崎氏は投資初心者に向けて、
「い つ、どこで、誰が、何を、どのように、どのくらい、どうするか」という投資の基本を明確に示しています。
「いつ」は「いま」もしくは「給料やボーナスが出た時」
「どこで」は「SBI証券」か「楽天証券」などのネット証券で
などです。
『難しいことはわかりませんが、 お金の増やし方を教えてください!』より引用

「投資をしなさい」などのアドバイスは YouTubeなどにあるかもしれませんが、理由からおすすめの方法、商品まで専門家がアドバイスしてくれるコンテンツはなかなかありません。すぐに行動に移せる内容となっています。
著者は?
山崎元氏は東京大学経済学部を卒業後、三菱商事を経て外資系証券など合計13社で働いてきた資産運用のプロフェッショナルであり、鋭い論評で知られる人物です。
大橋弘祐氏は立教大学を卒業後大手通信会社を経て出版社に転職、金融初心者の立場から素朴な疑問を投げかける作家であり、前述の『漫画バビロンの大富豪の教え』の企画・脚本も行っています。
薬剤師が読むべき理由
この本を読むことで得られる最大のメリットは、将来にわたる資産形成の具体的なロードマップを描けるようになる点です。
薬剤師は若手のうちは高所得に分類されますが、将来の昇給額は決して多くありません。
しかし安定した収入があるからこそ、早い 段階で資産運用を始めることで老後の備えや夢の実現に大きな差がつきます。
若い頃からこの本のような指南を参考に資産形成を始めておけば、将来の選択肢が広がります。
近年はFIRE(経済的自立と早期退職)も話題ではありますが、たとえ早期リタイアまでしなくとも十分な資産を築いておけば、 子育てや介護の時期に一時的に働き方をセーブするといった柔軟なキャリア設計も可能になるのです。

私も将来出産、子育てで短時間勤務になるかもしれないし、その時までに少しでも安心できる資産を作れたらいいな

親の介護でワークライフバランスを考えなくてはいけなくなるかもしれないし、早めに知っておいた方がいいかもしれないね
この本には最新の制度や社会情勢が反映されていて、2024年から拡充された新NISA制度や、iDeCo、さらには保険の見直しや住宅購入の是非など有用な学びがあるはずです。
薬剤師という職業の年収推移をうまく利用していきたいですね。
私のおすすめの証券会社はこちらの記事をご覧ください。

『今さら聞けないお金の超基本』坂本綾子・著
どんな本?
最後に紹介するのは、『今さら聞けないお金の超基本』と題された、まさにお金の教科書ともいうべき一冊で、お金にまつわる基本知識を網羅的に解説しています。
この本は、お金の世界を「お金とは?」という基本概念を説明したのち、「稼ぐ」「納める」「貯める」「使う」「備える」「増や す」といった機能別に分け、図解やイラストで表しているので初心者にも視覚的に理解しやすいです。
国税庁や厚生労働省の統計データを使って平均給与や、医療費の推移を算出しており、一つ一つの図や表が価値のあるものとなっていて、まさにお金の教科書に最適です。

例えば産業別の賃金は賃金構造基本統計調査から算出ができますが、データを整理し、表にするにはかなり時間がかかります。それがまとまっているので、「お金の勉強」以外にも役に立ちますね。
また、普段何気なくみている給与明細の見方や控除額も理解できるようになります。

確かに給与明細は見てても控除の部分の意味はよくわからないんだよね

ボーナスをいっぱいもらってもすごい引かれているしどういう内容なのかしら
では、賞与を例に見ていきましょう。
一般的な賞与で所得税のほか、健康保険、厚生年金、雇用保険、年齢によっては介護保険料が控除されています。
その中で20~30代の薬剤師に関係がある健康保険、厚生年金、雇用保険はこのように決まっています。(東京の協会けんぽの場合)
・健康保険=標準賞与額✖️5%
・厚生年金=標準賞与額✖️9.15%
・雇用保険=標準賞与額✖️0.6%
※標準賞与額は賞与額から1,000円未満を切り捨てたもの
『今さら聞けないお金の超基本』から引用

所得税の他にもこんなに引かれていたから賞与の額面が少なかったのね
このように、難解になりがちなテーマも わかりやすいイラストと具体的な解説によって理解でき、一冊持っていると様々な場面で活躍する一冊です。
網羅的な内容なので、気になる内容が出てきた時、辞書のように目次から探して調べる使い方もいいと思います。
著者は?
著者は、生活経済ジャーナリストで1級ファイナンシャルプランニング技能士でもある坂 本綾子氏で、監修者の泉美智子氏は子どもの環境・経済教育研究に携わるファイナンシャルプランナーと専門家の2名が主に携わっています。
薬剤師が読むべき理由
薬剤師は日々の業務で医薬品の知識をアップデートし続けていますが、自身の生活を支えるお金の知識については体系的に学ぶ機会は少ないです。
一方で、将来を見据えたライフプランニングにおいて、薬剤師も例外ではなく結婚・子育て、住宅購入、老後資金準備といったイベントに直面します。
特に女性の薬剤師にとっては、産休や育休など制度をうまく利用しながら、フレキシブルな働き方をする薬剤師も多いです。

将来は子供が欲しいし、旦那にも育児休業をとってもらいたいけど、どんな制度かは全然知らないわね
制度を利用するには、その制度について知っていなければうまく利用することができませんが、薬学部においてはそのような内容はほとんど学びません。
年収の高い薬剤師において、給与明細や確定申告書の内容を正しく理解し、各種控除制度を活用することは節約の第一歩となります。
年収から不動産、住宅ローンや投資信託に至るまで、幅広くお金の関わることを解説してくれているからこそ、今まで『お金』の勉強にあまり縁のなかった薬剤師に読んでほしい本です。
まとめ:お金に強い薬剤師になろう
今回は20代~30代前半の薬剤師むけの薬剤師が読むべきお金の本3選を紹介してきました。
ぜひ
⭐️『漫画バビロンの大富豪の教え』
古代の物語からお金の本質を学ぶ世界的名著
⭐️『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』
資産運用の基本をQ&A形式で平易 に解説した日本のベストセラー
⭐️『今さら聞けないお金の超基本』
・貯める・増やすなどお金のすべてを網羅した教科書的な一冊
を読んでみてください。
若いうちにお金について学んでおくことは、将来の選択肢を大きく広げる最高の自己投資です。
薬剤師として キャリアを積みながらも、経済的な基盤を固めておけば、独立開業や留学、早期リタイアなど様々な夢に チャレンジする余裕が生まれます。
また、今回の本は2024年6月時点でKindle Unlimitedで全て読めます。
対象となる本は入れ替わるので時期によるかもしれませんが、500万冊の電子書籍が月額980円で読み放題は学ぶ上で大変お得です。

私も、Kindle Unlimitedを使っていて、ちょっと興味のある本を流し読みしたり、新しいジャンルの本に挑戦したりと活用しています。
早く学び始めた分だけ将来の差は大きく開くため、思い立った今がチャンスです。
お金の勉強は一朝一夕には身につきませんが、まずはここで紹介したような本から学び始めることで、将来の安心につながる確かな一歩を踏み出していきましょう。
ここまで読んでくださった読者の方々ありがとうございます。
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