【初心者向け】S&P500とは何?投資初心者の薬剤師にもわかりやすく解説

投資に興味を持ち始めたけれど、専門用語や仕組みが難しく感じることはありませんか?

同期や友達がNISAを始めたっていうけど私はよくわからない

S&P500がいいって聞くけど何かよくわかりません
金融や投資の話は薬学部では全く触れることのない教科です。
「S&P500(エスアンドピー500、エスピー500)」という言葉を聞いても、わからないという方も多いと思います。

エフピーなら知っているんだけど、、、鍵のかかったところに保管しないといけない薬の

エフピーは国家試験でよく勉強する内容ですね。今回はその内容ではないですが、、、
そこで20代の時から5年以上S&P500連動型インデックスファンドに投資をしており、ファイナンシャルプランナーで薬剤師でもある私がS&P500について徹底解説していきます。
この記事を読めば名前だけは聞いたことあるけど詳しく知らない「S&P500」についてわかります。
投資に興味を持ち始めたけれど、しっかり内容を理解して商品を選びたい、ニュースやSNSでよく目にする「S&P500」について理解したい方は是非最後まで読んでください。
(本記事は中立的な立場で情報提供を行ったものであり、特定の投資先を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたってはご自身の判断でお願いいたします。)
S&P500とは米国のアメリカの代表的な株価指数
まず結論です。
S&P500とは米国のアメリカの代表的な株価指数です。
そしてS&P500の特徴は
・米国企業である会社で構成されている
・時価総額が一定以上会社で構成される(大手企業の指数)
・米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしている
・直近の連続 4四半期にわたる利益合計が黒字である
ことです。

いきなりよくわからないんだけど株価指数って何?
では株価指数から説明していきましょう。
株価指数とは複数の株式の価格変動を総合的に数字であらわしたもの
株価指数は、複数の株式の価格変動を数字で表したもので、選ばれた銘柄の平均値のようなものです。

どういうこと?もっとわかりやすく説明して
ではイメージを掴むために簡単な例を出してみましょう。
3社(A社、B社、C社)だけが含まれたものの株価指数の例
仮にではA~C社という会社があるとしましょう。
そして指数XはA社、B社、C社同じ割合で含まれている指数だとします。
株価 | |
A社(家電量販店大手) | 100 |
B社(コンビニチェーン) | 200 |
C社(飲食店グループ) | 300 |
この場合の株価指数の計算は
株価指数 = (100円 + 200円 + 300円) ÷ 3 = 200
これが、株価指数= 200 という意味です。
この200という数字は、「この3社の株価全体が今どんな感じか?」を表しています。

要は中身の株の平均点を見ているということですね。
※実際のS&P500は「時価総額が大きい企業ほど影響力が大きくなる」というルール(時価総額加重平均)で作られていますが、この例では分かりやすくするために“すべて同じ重み”として説明しています。

なんとなくわかってきたけど、じゃあS&P500は米国株の株価指数の一つということであってる?
S&P500とはアメリカの時価総額の80%をカバーする指数
そうです。S&P500は米国株の株価指数の一つで、アメリカの時価総額の80%をカバーしています。
ざっくりいうとS&P500連動商品を買うと米国企業の80%の株を買うというイメージです。時価総額についてはこちらをご覧下さい。
S&P500は1957年3月4日から算定開始され、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社がこの指数を公表しています。

けどなんでS&P500が人気なの?他の米国の指数でもいいと思うけど
ではなぜS&P500が人気なのか見ていきましょう。
S&P500が人気な理由
S&P500が高いリターンを誇っているから
まずS&P500が人気な理由として、長期的に見て過去のリターンが約10%と高い利回りを誇っていることです。
世界の株式の平均利回りが約4%ほどと言われているので、約10%はかなり高水準となっております。
では実際に過去10年のS&P500のトータルリターンをグラフにまとめてみたいと思います。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス S&P500パフォーマンス トータルリターンよりデータを引用し作成
2015年7月 ~ 2025年7月までのデータでは年約13%のトータルリターンとなっています。
もちろん景気は循環し、良い時もあれば悪い時もあります。
また、すべての利益が投資家の手元に入ってくるわけではなく、税金がかかったり、手数料がかかる場合もあるでしょう。
過去が未来を保証するわけでもありませんが、長い間高水準のリターンを誇っている事実は変わりはありません。

給料は毎年10%も昇給しないですが、株式は10%も上昇する年もあります。投資をしている人だけがわかるメリットです。

じゃあなんでこんなリターンがあるの?他と何が違うの?
これ自体がS&P500の人気の理由の2つ目でもあります。
S&P500に採用される企業は厳格な採用基準を満たしている優良企業である
S&P500に採用される企業にはいくつかの採用基準があります。
その基準は
・ニューヨーク証券取引所などに上場している
・企業レベルの合計時価総額が227億ドル以上である
・直近の四半期(3か月)および直近の連続4四半期(1年間)の利益合計が黒字
などです。
つまりS&P500の構成銘柄は「アメリカの経済を牽引するエリート企業500社」を集めたといった特徴があります。

なんとなく優良企業が集まっていることはわかったけどどんな企業が入っているの?
では構成率上位の銘柄についてみていきましょう。
S&P500に採用されている上位10銘柄
以下の表がS&P500の構成上位10銘柄(2025年7月時点)です。

※構成銘柄は入れ替わることがあります
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス S&P500構成銘柄よりデータを引用し作成
上位10銘柄で約38%の構成比を占めています。

マイクロソフトとかアップル、アマゾンとかはよく使うしわかるけどNvidiaって?
NvidiaはGPU(映像や画像の処理が得意な計算装置)の開発を中心に半導体関連を開発、販売している企業です。
近年のAI技術にも欠かせないものであり、市場で大きなシェアを握っています。

Berkshire Hathaway(バークシャー・ハサウェイ)は?
投資の神様ウォーレン・バフェットが率いる、超巨大な投資会社です。
バークシャー・ハサウェイは、「バフェット流の超長期・堅実投資」を体現した巨大企業グループとなります。
投資会社でありながら、本物の事業も多数抱えるのが特徴です。

ちなみにS&P500はピッタリ500銘柄というわけではなく、2025年7月時点では503銘柄です。一つの企業でも株式の種類がある場合などでそうなっています。
株式の動きは産業の種類によって、同じ業種同士近しい動きをする場合があります。
例えばトランプ政権の自動車関税などですね。
様々な産業の種類(セクター)に分散されていれば業界不況でのダメージを分散させられるため、より安定した値動きとなります。
ではS&P500はどのような産業の企業が多いのでしょうか?
S&P500の構成セクター(産業の種類)
S&P500の構成セクターは以下となります。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス S&P500セクター別内訳よりデータを引用し作成

いろんな産業の会社があるけど情報技術が高くなっているのは時代かしら
そうですね。時価総額ベースであるため、近年のAIブームで情報技術セクターの構成比が高くなっている傾向があります。それだけ利益を出し評価されている企業が多いとも言えます。

けど結局S&P500にはどんなメリットがあるの?
ではS&P500に連動を目指した商品を買うメリットについてまとめてみましょう。
S&P500商品を買うメリット
S&P500商品はアメリカの大手企業500社に分散投資できる
S&P500はアメリカの主要500社に一度に投資するのと同じ効果があります。
一社の株価が不調でも他の会社がカバーしてくれるため、個別株への投資よりリスクが低く値動きが安定しやすいと言えます。
「一社に賭けるのでなく、500社が参加するチーム全体を応援する」イメージです。
さらにその500社は優良な米国大手企業です。
S&P500商品はアメリカ経済の経済成長の恩恵を受けられる
過去の実績でもわかるとおり、米国経済は長期的に見れば力強い成長を続けてきました。その恩恵を投資で享受できるのがS&P500です。
構成企業は世界トップクラスの競争力を持つ企業ばかりなので、世界経済の成長も取り込めるという見方もできます。
実際、S&P500企業の多くは海外売上も大きく、アメリカ国内だけでなくグローバルなビジネス展開をしています。

みなさんiPhoneやYouTube、Instagram、Excelなど使っている方も多いと思います。
「S&P500 = アメリカ企業」ではありますが、実質的には「世界中から稼ぐ超優良企業の集合体」なのです。
S&P500商品は長期的に安定した実績がある
先ほど述べたように、S&P500は長期ではおおむね安定した上昇トレンドを描いてきました。
特に近年は大きな危機を乗り越えつつ最高値を更新しており、長期投資すれば安定したリターンが得られるという実績があります。
もちろん未来も同じとは限りませんが、少なくとも過去数十年を振り返る限りにおいては、世界の投資家から「信頼のおける指数」と見なされているのは間違いありません。
S&P500商品は初心者投資家でも分かりやすく手軽に始められる
S&P500に関するは情報量が多く、ニュースや解説記事も日々報じられるので、初心者でも勉強しやすい対象です。
「アメリカの景気が良くなっている」「多くの米国大手企業の決算が好調だ」といった情報がそのままS&P500の値動きに反映されるため、値動きの理由が比較的理解しやすいのもメリットです。
S&P500に関するは情報はYouTubeなどにも多く教材がありますので情報が手に入りやすいでしょう。

ただし、情報を得るときには「それが正しいか」という視点を忘れないでください。
この記事自体も例外ではなく、正しいか疑いながら読んでください。もちろんみなさんの役にたつ正しい情報を書いていますが、きちんと疑うことがみなさんの資産を守ることにつながります。
S&P500商品は低コストで投資できる商品が多い
S&P500に連動する商品には投資信託やETF(株のように証券取引所で売買できる投資信託)があり、世界中で人気があり、競争が激しいため運用コストが非常に低く設定された商品が多いです。
長期投資ではコストの差がリターンに効いてくるため、低コストで分散投資できる点は大きな利点です。

いいことづくめな気がするけどデメリットはないの?
もちろんメリットだけの商品はありません。
では注意点についても解説していきます。
S&P500商品を買う注意点
短期的な変動・暴落の可能性がある
過去の例でもS&P500も短期的には大きく値下がりすることがあります。
S&P500は株式100%の指数なので、債券などを混ぜた資産配分に比べると変動は大きくなります。
リーマンショック、コロナショック級の下落が今後も起こる可能性はありますし、起これば資産が減るリスクもあります。
短期で使う予定のお金や、損失に耐えられないお金を投資しないこと、そして長期視点でじっくり構える心構えが重要です。

暴落があったときには長期では平均リターンが高い実績があることを忘れずに、衝動的に売らないように心がけましょう。
S&P500のアメリカ偏重のリスク
S&P500は米国企業だけで構成されているため、地理的な分散はアメリカ国内に限られます。
他の先進国や新興国を含む「全世界株式」に比べると、国際分散という意味では偏っている点に注意が必要です。
たとえば、将来もしアメリカ経済が長期停滞するような事態になれば、S&P500もそれに引きずられる可能性があります。
その期間に他の国が好調であれば全世界株式の方が有利かもしれません。
「これからもアメリカが世界経済をリードする」という前提にある程度立っているのがS&P500投資とも言えます。
もっとも、現状では米国株が世界時価総額の6割近くを占め、米国企業の国際競争力も高いため、多くの投資家はその前提を受け入れて投資しているわけです。
S&P500の構成銘柄の巨大ハイテク企業への集中
時価総額加重の構造上、S&P500は現在ハイテク・IT企業への集中度合いが高いです。
具体的には、アップル、マイクロソフト、Alphabet(Google)、Amazon、NVIDIA、Metaといった企業群が構成比の上位を占めています。
セクター(産業の種類)分散はあるものの、特定セクターの巨大企業が指数を牽引・左右している点は覚えておきましょう。
I T業界全体がダメージを受け、業界が低迷した場合にはS&P500にも影響が避けられません。
もっともS&P500は、企業が低迷すると入れ替えで別の有望企業が採用される仕組みではありますが、入れ替わりにはタイムラグがあります。

じゃあS&P500の商品はどんな商品があるの?
S&P500連動を目的とする代表的な商品
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
・Vanguard S&P 500 ETF(VOO)
などがあります。
証券会社で購入できる商品が異なるため、楽天証券で買えるおすすめ投資信託はこちら、SBI証券で買えるおすすめ投資信託はこちらをがご覧ください。

けど、他のオルカン、ナスダック100とか聞いたことあるけどどんな感じで違う指数なの?どっちがいいか迷っているんだけど
ではeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の目指す指数であるMSCIコクサイ・インデックスと、投資初心者でも聞くことの多いN A S D A Q 1 0 0について簡単に比較していきましょう。
S&P500、MSCIオール・カントリー・ワールドインデックス、NASDAQ100の比較
S&P500、MSCI オール・カントリー・ワールドインデックス(MSCI ACWI)、NASDAQ100の比較は

となります。
それぞれの指数に対する詳しい説明はまた次回記事にまとめていきます。
まとめ:S&P500は優良な米国企業の集まりで初めての投資に最適な指数
S&P500についてその概要から構成、仕組み、過去の実績、投資のメリット・注意点、さらによくある疑問への回答まで詳しく解説しました。
少し情報量が多かったかもしれませんが、S&P500の特徴を整理すると以下のようになります。
・米国企業である会社で構成されている
・時価総額が一定以上会社で構成される(大手企業の指数)
・米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしている
・直近の連続 4四半期にわたる利益合計が黒字である
もしこれから投資を始めようという方で、何に積み立てようか迷っているなら、S&P500は有力な選択肢の一つです。
薬剤師として日々患者さんに寄り添うように、投資でも腰を据えてじっくりとこの指数と付き合っていけば、きっと時間が味方をしてくれるでしょう。
それでも重要なのは、投資は自己責任で、自分が納得できる形で行うことです。
S&P500は優れた指数ですが、「絶対に損しない」ものではありません。
ぜひ本記事の内容を参考に、自分なりに理解・納得した上で、将来の資産形成に役立てていただければ幸いです。
皆さんの投資の旅路が、S&P500という心強いパートナーによって実り多いものになることを願っています。
ここまで読んでくださった読者の方々ありがとうございます。
リンク先には公式サイトを掲載しておりますので、ご利用の際には使用いただけますと幸いです。
今後も皆様の役に立てるような情報を発信していきたいと思いますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
(本記事は中立的な立場で情報提供を行ったものであり、特定の投資先を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたってはご自身の判断でお願いいたします。)